「編み物が趣味です」
「すごーい、じゃあセーターなんかも作れるの?」
あなたなら、この後 何と答えますか?
編み物で小物を作れる方なら、
「本に載っている毛糸で、本の編み図のとおりに編む」場合は
技術的には編める方が多いのではないでしょうか?
セーターのデザインによっては、とても手が出ない難しそうなものもありますが、
「はじめての・・・」とか「簡単な・・・」とか書いてある本のものなら、
小物作りに比べて、そんなに難しい「技術」は必要なかったりします。
でもそれは、
「おしゃれなカフェ」に着て行きたい「セーター」でしょうか?
私は編み物歴は長く、セーターも何回も挑戦しましたが、そんなセーターは作れません・・・( ;∀;)
なぜなのでしょうか?
理由は簡単です。
・毛糸にお金をかける勇気が出ない
↓
・特価販売の毛糸で編もうとする
↓
・あこがれが強すぎて難しいデザインを選んでしまう
↓
・編み図を探すのが難しくなる
↓
・サイズ調整やゲージ調整が難しくなる
↓
・間違いが起こりやすい
↓
・時間も手間も余計にかけてしまう
↓
・失敗する、編み上げない
の悪循環です。
この記事では、なぜこの悪循環が起こるのか解説していきます。
「手編み」で作れるいろいろなもの。
身につけるものだけでも
マフラー、ストール、スヌード、ネックウォーマー、ニット帽、靴下、レッグウォーマー、手袋・・・。
そのほかにも身近な実用小物も
コースター、ドイリー、バッグ、エコたわし・・・。
大物ではマルチカバーなども素敵ですね💕あみぐるみも可愛い💕
オブジェや変わったものも作れます。
↓見るだけでも楽しめる( ´艸`)「おかしなあみもの」オモロイです✨↓
でも、やっぱり私には、
「手編み」といえば「セーター」
という根強い価値観があります。
素敵なセーターを編めることはあこがれです💕
素敵なセーターには上質な毛糸が必要
突然ですが
下記のロケーションで、セーターを着て行くなら、どんなセーターはどんなものを選びますか?
- 少し寒い11月
- 久しぶりの休日
- オープンカフェ
- 銀杏の木の下
- テラスデッキ
- おしゃれなパンケーキ
- 本屋さん大賞の文庫本
例えばそれが「アランセーター」だったとします。
そのセーターの毛糸はより上質なものが、より良い休日にしてくれるに違いありません。
暖かさ、やわらかさ、質感が、より上質な「癒しモード」に集中させてくれます。
多少の木枯らしが吹いても、手元の文庫本の世界に浸り続けられることでしょう。
もちろん、値段も高いです。
どれくらいの値段がかかるのか?
具体的にはどのくらいの金額がかかるのでしょうか?
編み物の本のセーターにもよく使用されている「パピー」さんの毛糸を、2種類 例に挙げてみましょう。
「ブリティッシュエロイカ」 ウール 100%(英国羊毛50%以上使用)
柔らかくて風合いの良い毛糸です。
伝統的なセーターの素材として、お手頃価格で上質な毛糸です。
パピーさんのホームページ内にある「リブアランセーター」のキット販売の値段が
価格 7,150円(税込)
でしたので、この場合の原材料費は7,150円です。
リブアランセーター
http://www.puppyarn.com/shop/product_info.php/products_id/9208
リブアランセーター [キット] 商品コード: 40941204-0007 (編み図付き)
「モナルカ」アルパカ70% ウール30%
使ったことありませんが、写真で見ただけども上質さが伝わります。
軽くて暖かくて上品な仕上がりになるんだろうなぁ💕
パピーさんのホームページ内にある「アランハイネックセーター」のキット販売の値段は
価格 17,160円(税込)
でしたので、この場合の原材料費は17,160円です。
アランハイネックセーター
http://www.puppyarn.com/shop/product_info.php/products_id/9211
アランハイネックセーター [キット] 商品コード: 40941206-0016(編み図付き)
ざっくりとした予算を7千円以上はかかると考えた方が良いのです。
↓パピーさんのホームページです↓
https://www.puppyarn.com/shop/
!!(^^)!!
お察しのことと思いますが、この先のエピソードでもセーターは編みあがりません。
デザインにこだわりがなく、「編むこと」を純粋に楽しみたい場合は、「編み図付きのキット販売のもの」がセーターを編み上げる一番の近道かも・・・。
なぜ高いと感じるのか?
「高い」
「セーターを買った方が安い」
私の場合、上記の毛糸どちらも、編む前の段階でこの価格は高いと感じてしまいます。
「編み上げて」「着て」上記のカフェに行けば、幸せな時間を過ごせそうだとわかっているのですが・・・。
いざ買おうとする「私に編めるかな?」と不安になってしまうからです。
編みあがっている既製品のセーターの価格と比べてしまいます。
アランセーターをあきらめて、シンプルなユニクロのセーターを買っちゃいます。
時間をかけて編まなくても、今週末にカフェに行けちゃいます。
「おしゃれなカフェでまったりと文庫本を読む」ことの幸福度は下がってしまいますね。
でもそれは、ほんの少しですから、一旦、我慢します。
カフェに行けるだけでも幸せですしね。
次の秋が来ても、同じことを思い、同じように我慢します。きっと・・・。
特価販売の定番の糸を見つける
でも、上質なアランセーターへのあこがれはずっと持ち続けます。
そんな時、
「10玉で3,000円」で特売の毛糸を見つけたとします。
定番の糸で、思い描いていた色の、いつもなら1玉680円くらいするものです。
即、買います!!
10玉では足りなくなりそうなので20玉買います。
20玉買っても「6,000円」です。
あまり糸で、小物も編めるのでお得です✨
ようやく、材料の毛糸を調達出来ました。
好みやこだわりが小物の比じゃない
一口に「アランセーター」といっても種類はいろいろあります。
毛糸は思い通りのものを手に入れられたとしても、お気に入りのデザインの「アランセーター」を探すのも難しいです。
セーターの形にも、首元の形・全体の形・袖の形などいろいろあります。
アラン模様の種類にも、ケーブル・ダイヤモンド・ハチの巣などいろいろあります。
↓アラン模様の種類を知りたかったらこちらがおススメです↓
自分が着たい「アランセーター」へのこだわりは、自分が思っているよりも強いのです。
「全体の形は好きだけど、首回りの形が・・・」
「全体の形も、模様もほぼ好きだけど、でも欲しいのはダイヤモンド模様のアランセーターなんだよなぁ・・・。」
出来上がったものを買うのならともかく、せっかく自分で手編みするから、思い描くアランセーターを作りたいのです。
本屋さんやインターネットでたくさんの本を見て探します。
それは、とても楽しい探し物の時間です。
たくさんの本を見ているうちに思い描くものとは違っていても、そのうちには「これ素敵💕」って思うものを見つけることができます。
サイズ調整がある
- 材料を安く手に入れることが出来た
- お気に入りのデザインの編み図を見つけた
ではすぐにアランセーターを編み始められるか?
と言ったら、そうはいきません。
編み図にはデザイン以外にも気を付けることがある
特売で手にした毛糸で、アランセーターの編み図を探そうと思ったら難しいことが3つあります。
- 同じ毛糸が使用糸になっている編み図がなかなかない。
- 自分と同じサイズの編み図かどうかがわかりにくい。
- 自分と同じゲージかどうかがわからない。
この3つの問題点の解決方法は
- 毛糸の帯に書いてある「標準ゲージ」を参考にして、使用糸と近いものを探す。
- 出来上がり寸法などが編み図に書いてあるはずなので、それを参考にして目途を立てる。
- 毛糸の帯の「標準ゲージ」を参考にして模様編みのゲージを推測する。
結構、ハードルが高いです。
経験と知識が必要です。
それでも、これらの問題点をクリアした編み図を探せ出せたとします。
編み図が見つかっても、サイズ調整は必要
ゲージやサイズが近い編み図を手に入れることが出来たとしても、自分で模様編みの「ゲージ」をとって確認することが必要です。
これが手に入れた編み図と同じなら、かなりラッキーです。
サイズもゲージも同じなら、そのまま編み進めても大丈夫です。
多くの場合はサイズ調整やゲージ調整が必要です。
編み図にはサイズ調整の方法が書かれているものも多いので、それを参考にして計算し調整します。
ゲージ調整は編み針を変えたりして指定のゲージにできるだけ近づけます。
この作業はとても重要ですが、面倒くさい地道な作業です。
素敵なものは難しい技術が必要
選んだセーターが棒針編みであった場合、基本は表目と裏目で編むことになります。
が、アランセーターには交差編みがつきものです。
右から編んでいる場合、メリヤス編みは右から順番に目を拾いますが、交差編みはこの順番を入れ替えて交差させます。
目を落としてしまったり、どの目を編んでいるかわからなくなったりします。
それでも表(オモテ)を見て編んでいる時はまだよいのですが、裏から見て編むときは頭が混乱してきます。
しかし、便利な道具もあるので、慣れてきたら間違えずに編めるようになります。
他にも、すべり目、ねじり目、増し目、減らし目、引き返し編み、など難易度の高い模様編みがあります。
それぞれ最初は難しく感じますが、編み進めて編地が少し出来上がってきたら楽になってきます。
それでも、ゲージや試し編みの段階で、もしも選んだ編み図が自分の技術では難しいようなら、編み図から選びなおすことになるかもしれません。
自分にも編みやすい編み図であった場合には、模様が出来上がっていくのがとても楽しく感じられ、ついつい夢中になります。
素敵なものを作るには時間が必要
毛糸も、編み図も、サイズ調整も上手くいって、アラン模様も間違えずに編めるようになったら、ようやくセーターを編み始めます。
ここまでで、どのくらいの時間をかけたことでしょう・・・。
今年のカフェデビューは無理でしょうね。
ざっくりとした工程ですが、
前身ごろ
↓
後ろ身ごろ
↓
左右のそで
↓
はぎ合わせ
↓
首回り(えり)
↓
すそ・そで先
↓
仕上げ
ここまでの工程が上手くいっていれば、そんなにつまづくこともないはずです。
ただひたすら「編み物の時間」を楽しむことができます。
ですが、
- 編んでいるうちに飽きることもあります。
- 他のものが編みたくなることもあります。
- ちょっと妥協したデザインが気になりだすこともあります。
- ちょっと妥協した糸を後悔することもあります。
- あれっサイズ大丈夫かしら?を不安になることもあります。
そして、大きく間違えることもあります💦。
間違えてもごまかしがきかない、編みなおす手間も半端じゃない
間違えてしまった場合、少しほどけば良いのなら それほどイヤにもならないのですが、
場合によっては かなりほどかなくてはならないこともあります。
「このくらいまぁいっか」と編み進めてみて、やっぱり「目立つな・・・」とほどくこともあります。
最悪それそれのパーツをつないでいる時に間違いに気づく・・・、なんてこともあります。
やめたくなります。
もう、「おしゃれなカフェ」には「一生ユニクロ着ていく!!」って思います。
編みあがらなければ、
着なければ、
「手編みのセーター」がカフェデビューすることはありません。
途中ワクワクするシーンは至福の時間ですが、
「着用して自分のおしゃれを楽しむセーター」として物質的な価値観だけで判断した場合には
「コスパの良い手編みのセーター」を作り上げることはとても難しい
と私は思うのです。
この記事が一緒に編み物を楽しめる「力」と「知恵」になれますように!
長々とした愚痴のようになってしまいました。
「手編みのセーター」に挑戦した方の共通の「あるある」ではないかと勝手に思っています。
でもでも、「コスパ」の悪さをわかっていても、手編みしていればセーターに挑戦したくなる方も多いのではないでしょうか?。
単純に「編み物の時間」を楽しむこともできますし、
ちゃんと編めば、「一生モノ」は大げさでも「何十年モノ」のお気に入りが仕上がります。
その着心地は「すごいなぁ」と単純に感嘆するものです。
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