編地によって「立ち上がりのくさり目の数」と「編地の高さ分の目の数」が違ってきます。
円や扇形に編む場合、増やし目の数の計算が合わなくなりきれいな円や扇形にならない場合が出てきます。
特に、なが編みで頻発します。
え!今までの説明と違うじゃん!!
そうなのです。
違うのです。
下記の記事で丸ヨークがだわだわと波打ってしまったのは、これが理由でした💦
試着しながら確認していたので、途中で調整して何とか着用できるセーターにはなりましたが、
うっかりと「なが編みの高さ」について考えるのを忘れていました。
この記事では、この記事ではなが編みベースの模様編みで
「立ち上がりのくさり目の数」と「編地の高さ分の目の数」
違ってくる理由と、その対処法を説明します。
結論は、
・試し編みで編地の高さ(縦)を横の目から割り出す。
・割り出した高さから増やし目の数を計算する
・大きめの数字で計算して、増やし目をしない段を作る。
です。
まずは、「1段分の高さが何目分か?」を数えます。
その目数が、増やす目数を計算するときの「半径の目数」になります。
「なが編みの高さ=くさり編み3目分」で計算するときれいな円や扇形にならない理由
なが編みの場合立ち上がりのくさり目の数は3目です。
ですが、なが編みの高さはくさり編みの2目分くらいになります。
頭の部分が次の段の土台となり、高さが重なってしまうんです。
これが「なが編みの高さ=くさり編み3目分」で増やし目を計算すると、きれいな円や扇形にならない原因です。
では、
なが編みの高さは足の部分だけのくさり編み2目分か?
というと、そうとも限りません。
なが編みの高さに影響するもの
なが編みや編地の高さに影響するものは以下の通りです。
- 自分の編み方
- 毛糸の種類
- 模様編みの場合
- 編地の重さ
自分の編み方
私の感覚ですが、棒針よりもかぎ針編みの方がゲージが狂いやすいです。
特に「くさり編み」「なが編み」は変わりやすいです。
私は、「足」が長くて「頭」がきゅっと締まっている「なが編み」を美しいと思いますが、それを意識して編むと目の長さがバラバラになってしまい編地が整いません。
結局リズムよく編んだ方が、編地としては出来栄えが良かったりします。
その場合は「足」が短くなってしまっています。
毛糸の種類
毛糸の種類によっても長さが変わります。
これも私の場合ですが、毛糸の撚り(より)がふんわりと緩いものなどは「足」を長くした方が編みやすいです。
他には、下記の要因も高さに影響します。
- 毛糸の太さに強弱がある毛糸
- ネップや飾りがある毛糸
- 毛糸の伸縮性
模様編みの場合
模様編みは下記の要因などで、高さが変わってきます。
- くさり編み
- 編み目の方向
- 土台にする場所
具体的には・・・、
- くさり編みをくるりと巻き取って次の段を編む場合
- ななめの目がある場合
- 引き上げ編みがある場合
模様編みには、他にもいろいろと編地の高さを変える要因がありますが、ここでは省きます。
編地の重さ
編地の高さは通常平たいところに置いて確認します。
しかし、セーターやスカートなどは重力で引っ張られて編地が結構伸びます。
例えば・・・
フレアラインのスカートを作ったつもりが、ベルボトムのスカートになってしまいます。
スカートでいえば腰回り、セーターでいえば首回りや肩が特に重力がかかり伸びやすいです。
ふわりとした丸いラインを出すはずだったウェディングドレスのスカートです。
腰回りは、下にはいているパニエも押し戻して縦に伸び、裾周りは無駄なフレアーが出てしまいました。
コットンのラメ入りの毛糸を2号針で編んだと思います。
編地の重さに、左手が腱鞘炎になったことを覚えています・・・。
編地で1模様(1段)分の高さを確認する
このブログでは、増やし目の数は下記のとおりで計算しています。
基本は、このとおりでOKです。
しかーし!
この「立ち上がりのくさり編みの目の数」は実際には
「編み目の高さ」を「横の目で数えた〇個分」とした数になります。
「横の目」は「くさり編み」とほぼ同じ大きさなので「くさり編み」〇目分とします。
編み物の単位を「㎝」でななくて「くさり編みの目数」で覚えちゃうんです。
この数はケースバイケースになってしまうので、実際の編地で確認するのが一番です。
上の写真では、
なが編みの3目分の高さが横の目(=くさり編み)6目分ぐらい
になっています。
この場合は
編み目の高さ=くさり編み2目
と考えて計算します。
実際、多くのなが編みでは「くさり編み2目分の高さ」になります。
それはつまり「ケージ」の作業になります。
これを、きちんと計算して製図に落とし込めれば良いのですが、
私は「編み物に必要な5つの力」が弱めなので難しいです。
なので、ここからは「編み力」が少なめでも計算が楽な方法を具体的に説明します。
丸ヨークのセーターの場合
丸ヨークの場合は編みながら確認して調整します。
早めに「大きいかな」「小さいかな」って気づいた方が傷が浅くて済みます。
場合によっては、編みなおさなくてもごまかせちゃいます。
確認方法は試着してみるのが一番です。
試着が難しい場合は、セーターになったとき下に着るTシャツなどに当ててみてください。
編みだしの作り目くさり編みの数
編みだしの目数は試し編みからざっくりと計算します。
ですから、ざっくりと90目とします。
編みだしのくさり編みは多めに、110目くらい編んでおきます。
余ったくさり編みは後でほどきます。
(ほどき方はこちら)
次の1段目は増やし目をしながら編みます。
その増やし目の数は編み目の高さによって変わります。
1段ごとに増やし目をする場合、その増やし目の数
方法は下記の3パターンで考えると楽に増やし目できます。
①「1段の高さがくさり編み2目分・なが編みだけ・太めの糸」の場合→1段ごとに10目増やす。
なが編みだけで太い糸でザクザクと編んでいく場合は、1段ごとに10目増やします。
増やし目の数=1段ごと(1模様ごと)の立ち上がりのくさり編みの目の数×5
を
なが編みの高さ=くさり編み2目分
とし
2目×5=10目と計算
誤差が少ないので編地の伸縮や仕上げで調整できます。
②細めの糸や模様編みが含まれる場合→1段ごとに15目増やし、増やし目のない段を作る
細めの糸や模様編みが含まれる場合は
・1段ごとに15目増やし、増やし目のない段を作る
方法の方が調整が簡単にできます。
この方法ですとなが編みの高さが
2目より大きいけど、3目よりは小さいなぁー。
とか、
試し編みの時は2目くらいだったのにぃ
今は2目より大きいですぅ・・・
って時にも修正が簡単です。
- 首回りに編地の重さがかかり伸びやすい
- 人間の身体の形に添いやすい
- 円は中心に近い方が増やし目の割合が大きくなる
という理由から、途中でごまかしても意外と仕上がりが上手くいきます✨
算数的に説明しますと・・・
編み目の高さが2の場合、3段目での増やし目の数は30目です。
→2目×5(丸ヨークの定数)×3段=30目
1段ごとに15目増やし、3段目で増やし目をしない場合も3段目では30目になります。
→15目×2段分=30目
③なが編みの高さが「くさり編み2目分」より大きい場合で、毎段増やす場合
方法は 2つあります。
【方法②】1段当たり15目増やし、増やし目のない段を作る
【方法③】1段当たり15目増やし、増やし目を減らす段を作る
方法②はひとつ上の方法とほぼ同じです。
違う点は、1段ごとに15目増やし、「4段ごとに増やし目をしない」ようにします。
編み進めてみて広がり過ぎるようなら「3段ごとに増やし目をしない」などに変更して調整していきます。
しかーし!!
模様編みの場合は、模様が綺麗に見えることの方が重要です。
【方法②】1段当たり15目増やし、増やし目のない段を作る
をベースに考えることをおすすめします。
1段ごとに15目増やし、4段ごと増やし目をしない。
として、試着しながら調整し、
大きいようなら
3段ごとに増やし目をしない
と調整するようにしてみてください。
いずれにしても、
セーターの場合
編地の重さで下に引っ張られますし、
人間の身体の形
肩回りの動きやすさ
等の理由から、首回りは多めの増やし目で始めておいて試着しながら調整していく方が無難です。
④なが編みの高さがくさり編み2目分より小さい場合で毎段増やす場合
少し硬い編み目になっているかもしれません。
ふわっとした柔らかい着心地を目指す場合は、編み方を調整した方が良さそうです。
それ以外の理由や固い編み目が狙いの場合は、
【方法②】1段ごとに15目増やし、3段目ごとに増やし目をしない
と同じ方法で編み始めてみます。
試着しながら確認し、
大きいようなら2段目ごとに増やし目をしない段を作るなどして調整してください。
1模様ごとに増やし目をする場合の増やし目の数
1模様ごとに増やし目をする場合も基本は同じです。
1模様ごとの高さを横の目(くさり目の数とします)数えます。
1模様分の高さ×5で増やし目の数をて割り出し、試着しながら確認していきます。
- 【方法①】横1模様当たり(1模様分の高さ×5)目増やす
- 【方法②】横1模様当たり(1模様分の高さ×5)増やし、増やし目のしない縦1模様分を作る
- 【方法③】横1模様当たり(1模様分の高さ×5)増やし、増やし目を減らした縦1模様分を作る
ちょっとわかりにくいですね・・・。
編み目の単位が「段」「目」から「模様」に代わっているだけです。
1目ごとではなく1模様ごとに増やし目の数を計算します。
↓こちらに記事がその方法で作っています↓
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サイズ計算が超簡単なかぎ針編みの丸ヨークを考えて、作成しています。
計算どおりに上手くいかず何度も編みなおして気づきました!!
「なが編みの高さ」って「くさり編み3目じゃなーい💦」
何度も何度も失敗して、ゲージ&製図無しでも、編力弱めでも編めるセーター作りたいなぁ・・・。
と奮闘中です!!
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